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■人と人の関係が育むこどもの心
(吉川眞理先生の講演会を聞いて)

まず先生は 「There is no such a thing as a baby」 という言葉から始められました。(直訳すると少し変な
言いまわしになるのですが、日本語でわかりやすく言うと 「赤ちゃんは一人では生きていけない」 という事
です。)
  赤ちゃんは(こどもは)養育者(こどもを養い育ててくれる人、大抵の場合は親ですが親以外の場合も
含めてそう呼ばれます)との暖かい関係の中で心が育まれ、「自分は愛されている」という安心の中で自
分自身を愛する事ができ、自信を持ち、自分の可能性を伸ばしていく事ができる・・という事です。
そして、こどもの主体性を育むためには、(矛盾するようですが、) 親の守り (先生は“枠”と表現していら
っしゃいましたが) の中で自由にそしてノビノビと活動する事がいい 、とおっしゃいました。例えば、親の決
めた行動制限(○○はしちゃダメ)というのも枠のヒトツですが、その枠が親の気分次第で変化してしまう
と、こどもは何がいいのか?いけないのか?が、わからなくなってしまいます。(枠が確認できない)枠の
限度を確認するのもこどもの成長の大切なプロセスなので、親としては、「ここまで」という枠をしっかりこ
どもに対して提示してあげる事が大切です。そして最終的には、(個が成熟する事を前提に)こども自身
が自分で「自分を守り自律するための枠」を作り出すことができる事ができるのです。
一番重要なのは養育者は、「色々とゆらぐ子どもの心を丸ごと受けとめてあげる事」だそうです。その為
にも、こどもが一人で生きていけないように、「養育者も一人ではこどもを育てていけない」のだから、ま
わりの人と協力し合って、ゆったりとした気持ちの中で子育てをしていく事が大切なのです。
  講演会は二部形式になっており、二部は保護者から日頃抱える悩みを出してもらったりするディスカッ
ションでした。二部のディスカッションでは、「こどもの出すサインて?」「しかり方ってどうしたらいいの?」
といった、常日頃から抱える悩みから保育園から小学校に移行していくこどもの心の揺らぎといった事ま
で色々と話を聞くことができ、とても考えさせられました。何よりも、私も含めですが自分の抱えている悩
みというのは、他の人も思っている事なのだ・・・という事がわかり、また日頃は(違う保育園なので)関わ
ることがないお父さん、お母さんたちとも話しをする機会となり本当によかったと思います。(またあった
ら、是非参加してみたいです)
子育ての悩みや、不安というものは、本当は世代を超えて受け継がれていくものなのですが、核家族化
がすすんでいる現代では、その事が難しくなっています。その為にも、ちょっとした悩みでも打ち明けられ
る仲間の存在は大きいものになっていくと思います。もし一人で何か考えたり悩んだりしているようでした
ら、身近な(できたら子どもがいらっしゃる)方に話してみるのもいいのではないでしょうか?



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